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新入社員の危機管理

[ 掲載日 ]2012/03/21

[ 掲載日 ]
コンサルタント bdchp

新社会人となったみなさん、就職おめでとう。これから世間の荒波に船出する若い人に、 少しだけアドバイスしたいと思います。 それは会社のではなく、みなさんの「危機管理」についてです。

俗に「三日、三月、三年」といいます。異なる環境、ここでは新しい会社に入ってのことですが、 3日目、3カ月目、3年目に危機が訪れるというお話です。俗言ですが、これは本当です。 人により多少のズレはありますが、まず間違いなく「迷い」が生じる時期です。 「迷い」とは「この会社に入って失敗したかな」「もっと自分にあった場所があるのではないかな」 「いっそのこと辞めてしまおうかな」なんていう「迷い」です。

新しい環境に慣れるまでや、そこでの自分の「居場所」が見つかるまでは、どこに行っても大変なんです。 3日目に「迷い」が生じるのは、うまく自分の居場所が見つからないからでしょう。 進学したときのコトを思い出してみてください。 わくわくしながら入った高校や大学で、周囲とうまく溶け込めず、不安な時期を過ごした経験はありませんか。 いずれにしても、環境適応の問題で生じた「迷い」から、性急にコトを決めてはいけません。 自分の不安の原因を冷静に見極めて、正しい危機管理対応をしてください。

3カ月目の危機は、自分と周囲の期待にギャップが生じた場合によくあるケースです。 或いは、頑張っているけどうまく周囲の期待に応えられていないのではないか、という不安です。 しかし、あなたが思うほど、新卒として入った皆さんにそう多くは期待していないものですよ。 最近、即戦力を求めて人材を採用したいと、日本の企業では言いますが、そんなに簡単ではないことを人事部はよく知っています。 応用力ばかりに眼が行き、へんな実戦力を身につけてしまうと、逆に困った人になってしまいます。 焦らなくとも大丈夫です。できれば、この期間に「尊敬できる先輩」を見つけましょう。 そこに「何年後かのあなた」を見つけることが大事です。

まだまだ先ですが、3年目に迎える危機は、「奢り」かもしれません。 特に有能である人に多いのですが、さほど多くない経験と、 大事に育てられている環境を誤解して、「自分が優秀である」と、奢りが出てしまうことが往々にして見受けられます。 飛び出して強烈なプレッシャに打ち勝てれば良いですが、これまでの日本の会社は、若い人に必要以上のプレッシャをかけないように育成しています。 今後は敢えて、そういう修羅場を与えて育成していくという企業は増えていくでしょうが、一度壊れるとなかなか修復が難しいことを知っている人事は慎重です。 3年目に「ウズウズ」してきたら、身近な人に相談してみてください。いきなり上司や職場の先輩に尋ねるのは避けた方がよろしい。 会社はあなたの家族ではなく、目的共同体のようなものなのですから。

じっくりと育てることが難しくなった日本の企業ですが、 それでもまっさらなあなたたちに期待しているところは大きいはずです。 焦らず、奢らず、真摯な気持ちで仕事を覚えいく姿勢こそが歓迎されるのです。 学校では試験は決まった日程で行われていましたが、会社では毎日誰かがあなたを試験しています。 まずは仕事に向き合う姿勢がテストされていることを忘れず、頑張ってください。 社会人生活はこれから40年以上もあるのです。 そしてその第一歩がそこから始まるのです。

新社会人、おめでとう。ようこそ、ビジネスマンライフへ。